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自動車のメンテナンス入門:定期点検とトラブル防止法

2025.1.13 COLUMN

自動車のトラブルや故障を防ぐためには点検が必要です。自動車の点検には、法律によって自動車の使用者の責任において適切な時期に行う「日常点検」、法律で定められた時期に行う「定期点検(法定点検)」があります。

この記事では、自動車の点検の重要性、定期点検や日常点検の必要性について解説します。自動車を運転しているときにトラブルや故障が発生しないようにするためにも、点検の重要性や、なぜ受けなければならないのかということをしっかりと理解しておきましょう。

自動車の定期点検とは?

道路運送車両法において、走行距離や車の状態に応じて運転者が行う「日常点検」と「定期点検」が定められております。これらの点検は、いずれもトラブルや故障、自動車の不具合による事故などを防止するために重要な点検です。そのため、適切な時期に点検を受けるようにしましょう。

法律に定められている定期点検と混同しやすいものに、車検があります。車検も法律により定められているため、定期的に受けなければならないという点では、定期点検と同じです。必要に応じて部品交換や整備を行う定期点検と内容が異なるのです。

 

自動車の点検の重要性

日常点検や定期点検(法定点検)といった各点検は、トラブルを防止するためにも定期的に実施しておく必要があります。これらの点検を怠ってしまうと、走行中に故障したり不具合が発生したりすることがあるため、欠かさずに実施しておきましょう。

また、JAFの出動理由を見ると、日常点検を実施したり、定期点検を受けていれば防ぐことができたと考えられるトラブルや故障が上位にランクインしています。ここで、JAFの出動理由(2023年4月〜2024年3月)のランキングを見てみましょう。

 

【2023年度JAF出動理由ランキングトップ3(2023年4月〜2024年3月)】

1位:バッテリー上がり

2位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

3位:落輪・落込

 

◆道路別出動ランキング

一般道路

1位:過放電バッテリー

2位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

3位:破損/劣化バッテリー

 

高速道路

1位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

2位:燃料切れ

3位:事故

 

【2023年度ゴールデンウィーク(2023年4⽉29⽇〜2023年5⽉8⽇)出動理由ランキング】

一般道路

1位:過放電バッテリー

2位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

3位:破損/劣化バッテリー

 

高速道路

1位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

2位:燃料切れ

3位:事故

 

【お盆(2023年8⽉11⽇~2023年8⽉16⽇)出動理由ランキング】

一般道路

1位:過放電バッテリー

2位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

3位:破損/劣化バッテリー

 

高速道路

1位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

2位:燃料切れ

3位:事故

 

【年末年始(2023年12⽉29⽇~2024年1⽉9⽇)出動理由ランキング】

一般道路

1位:過放電バッテリー

2位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

3位:破損/劣化バッテリー

 

高速道路

1位:タイヤのパンク・バースト・エア圧不足

2位:燃料切れ

3位:事故

 

上記のランキングを見ると、日常点検や定期点検を適切に行っていれば防げる内容ばかりです。長期休暇の移動中に故障やトラブルなどに遭わないようにするためにも、日常点検や定期点検はしておいた方がよいといえるでしょう。

では、法律で定められている日常点検や、定期点検とはどのような点検なのか解説します。

 

使用者の責任において行う日常点検

日常点検は、車の走行距離や運行時の状態などに応じた適切な時期に自動車の使用者が行う点検です。日常点検の主な内容は以下のとおりとなります。

  • タイヤの空気圧、残り溝の深さ、亀裂などの確認
  • エンジンオイルやブレーキオイル、バッテリー液の量
  • 灯火類の点灯や点滅の状態

など

詳しくは、車の取扱説明書や点検整備記録簿などで車種に応じた点検項目を確認してください。また、内燃機関(ガソリンエンジン搭載車やディーゼルエンジン搭載車など)、電気自動車、ハイブリッド車など、パワーユニットの種類によって点検項目や確認すべき事項が異なる場合があります。そのため、運転する車に応じた点検項目をしっかりと確認しておき、定期的に点検を実施しましょう。

 

定期点検

道路運送車両法第47条には、「自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備することにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。」という規定が定められています。

また、時期については道路運送車両法第48条に定められております。

  1. 点検の年月日
  2. 点検の結果
  3. 整備の概要
  4. 整備を完了した年月日
  5. その他国土交通省令で定める事項

この定期点検(法定点検)は、受けなくても罰則がないという理由で省略してしまう自動車の使用者もいます。しかし、JAFの出動理由ランキングからもわかるように、定期点検さえしていればトラブルや故障することがなかったと考えられることが多いため、定期点検を受けておくことを強くおすすめします。

 

点検時に異常や違和感などを見つけたとき

日常点検をしたときに異常や違和感、不具合などを見つけたときは、当該自動車の運転は避け、早めに車の販売店(ディーラー)や整備工場で詳しく点検してもらいましょう。事態が悪化する前にトラブルの対処ができれば、大きな故障や破損を未然に防ぐことができます。

また、定期点検を受けたときに、部品の交換や調整・補充などを推奨されることがあります。これら推奨項目の中で、車の走行に関わるもの、安全に関することは部品の交換や調整・補充などを行いましょう。

このような推奨項目は一般的に予防整備と呼ばれるもので、あらかじめ部品交換や調整・補充をしておくことで、次回の点検や車検までの間にトラブルや不具合を防止するものとなります。安心して車に乗り続けるためにも、予防整備は実施しておくとよいでしょう。

定期点検時に推奨される項目の中には、車の走行や安全に関係のないもの(車に施工したコーティングのメンテナンスや水洗い以外の洗車など)をおすすめさせる場合もあります。このような推奨項目は、走行や安全に関わるものではありません。そのため、推奨されたときに必要ないと判断した場合には断っても問題ないといえるでしょう。

また、定期点検のときに推奨される項目には、何を意味しているのかわからない言葉が出てくる場合があります。このようなときは、それぞれがどのような部品で、走行や安全に関連することなのか聞きましょう。項目の内容を聞いて、必要であれば点検や整備を実施ましょう。

点検で推奨される項目に対して適切な判断をするためにも、車の運転だけでなく、車を動かすために必要な点検項目や日常点検の内容を正しく理解しておくようにしましょう。

 

トラブルを防ぐためにも定期的に点検しよう

自動車の日常点検や定期点検は、運転中のトラブルや故障、不具合による事故などを防止するために欠かすことができない点検です。定期的にボンネットを開けたり、タイヤをチェックしたり、車の販売店(ディーラー)や整備工場に車両を持ち込んだりしましょう。、手間がかかることではありますが、命を守るために必要なこととなるため、点検は確実に実施しましょう。

 

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