スマホのながら運転のリスク｜見えない一瞬が、大きな事故につながる

運転中にスマートフォンを使う「ながら運転」。その一瞬のわき見が重大な事故につながることもあります。2019年には道路交通法の改正で罰則が強化されるなど、その危険性については重く見られています。この記事では、ながら運転の罰則や実際の事故事例、対策などをご紹介します。

 

 

ながら運転の厳罰化とは？

2019年12月1日に施行された改正道路交通法では、運転中の携帯電話使用等に対する罰則が大きく強化されました。

改正のポイント

• 保持しただけでも違反
  例：画面を一切みていなかったが、スマートフォン等を手に持ち運転をする。

• 通話・操作中に事故を起こした場合は刑罰対象に
  ながら運転により事故を生じさせる違反があった場合、刑事処分の対象に
  交通反則通告制度の対象を外れ、無免許運転や酒気帯び運転などの重大な違反と同じように、事件として捜査機関によって捜査される。

• 反則金・違反点数自体の引き上げ

運転中に携帯電話等を使用する「ながら運転」は、「重大な危険行為」として扱われるようになったのです。

 

 

実際の事故事例から学ぶスマホ使用の危険性

スマートフォン等を操作しながらの運転は、視線だけでなく注意力そのものを奪います。危険性は非常に高いものです。

最近のニュースで、以下のような事例を目にした方も多いのではないでしょうか。

• SNSを確認中に前の車に追突

• 通話に夢中で歩行者の横断に気づかず事故

• ナビアプリ操作中に信号無視し、自転車と接触

どれも「たった数秒」のわき見が原因です。速度が40km/hで走行している場合、1秒間スマートフォン等を見るだけで約11mも車が進んでしまいます。その間に何かが起きても、反応できる余地はまったくありません。

 

 

ながら運転を防ぐためのテクノロジーとアプリ活用法

技術の進化により、ながら運転を防ぐためのサポートツールも充実してきました。

対策や機能

• 「運転モード」設定（iPhone／Android）
  運転中は自動的に通知をオフにし、着信やメッセージも保留にできます。

• カーナビアプリの音声ガイド活用
  画面を見ずにルート案内を聞くだけでOK。

 

ただし、こうした機能も状況に応じて、使用することが求められます。操作が必要な場合は、必ず安全な場所に停車してから行いましょう。

 

 

カーナビやハンズフリー機能でも油断できない理由

意外と見落とされがちなのが、カーナビやハンズフリーの使い方。これらは「ながら運転には当たらない」と思われがちですが、実は注意が必要です。

• カーナビの操作は停車中に
  走行中に画面を注視すると、視線が外れてしまい、事故のリスクが高まります。

• ハンズフリー通話も運転への集中を奪うことがある
  会話の内容に意識が向きすぎて、前方の注意が散漫になることもあります。

「見ていない」「手は空いている」状態であっても、集中力がそがれてしまえば、それは立派な“ながら運転”です。便利な機能であっても、適切に使うことが求められます。

 

 

違反するとどうなる？罰則内容と反則金の金額

スマートフォン等を使用しながら運転した場合の罰則は、内容によって変わります。以下に、改正後の主な罰則内容をまとめました。

携帯電話使用等により、交通事故を起こせば“交通違反”ではなく、“刑事処分”の対象です。更に、違反点数は6点なので、免許停止になります。

一瞬のわき見によって、相手や自分自身の人生にも大きな影響を与えることになるので、スマートフォン等は運転中に「見ない・触らない」が鉄則です。

 

 

まとめ

スマートフォン等を使用したながら運転は、便利さと隣り合わせにある「危険」そのものです。法律が厳しくなったこと以上に、事故のリスクや被害の大きさを理解することが大切です。

「少しだけ」「見るだけ」が命取りになるかもしれない運転中のスマホ操作。わき見は一瞬でも、事故は人の一生を左右します。
便利な機能を安全に使いこなすためにも、正しい知識と心がけを持って行動したいところです。