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雨天時の運転:視界確保と滑り止め対策

2024.11.11 COLUMN

梅雨の時期や台風、短時間の豪雨など、雨が降るときに車を運転しなければならないこともあるでしょう。

この記事では、雨の日にどのような危険があるのか解説するとともに、どのような対策をすればよいのか紹介します。突然の雨やゲリラ豪雨のときに慌てないようにするためにも、ぜひ最後までご覧ください。

 

雨の日の危険性

雨の日は、さまざまな危険があります。具体的には、雨によって前方・左右・後方の視界が悪化し、交通状況や障害物などの認知が正しくできない可能性が高くなります。

また、路面が濡れることでタイヤと路面の摩擦係数が低下(グリップ力が低下)し、制動距離が長くなったり、路面にある金属(マンホールや橋の継ぎ目など)や塗装(路面標示)などで滑ったりすることもあるでしょう。

さらに、雨が降り始めると、歩行者が傘を差し、歩道で歩行者同士の行き違いがしにくくなり、やむを得ず車道に足を踏み入れる人も多くなります。

このように、雨の日にはさまざまな危険が発生するため、晴れているときの運転よりも注意しなければなりません。今回の記事では、「視界確保」と「滑り(スリップ)防止」に焦点をあて、それぞれの対策について解説します。

 

雨の日の視界確保

雨の日の視界は、晴れているときと比べると狭くなります。その理由は、雨で窓ガラスが濡れ、ワイパーで拭き取りできる部分以外には水滴が付着したままになるためです。また、外気温と車内の温度差が激しい場合は、窓ガラスが曇ることもあります。窓ガラスが曇ると、周囲の交通状況や障害物などの認識ができなくなるため大変危険です。

視界不良によって危険な状況にならないようにするために、以下の対策をしておきましょう。

  • ワイパーの点検
  • デフロスターなどを使う
  • 窓ガラスの曇りや水滴の付着を予防する
  • 走行中は前車に近づきすぎない
  • 周囲の交通に自車の存在を認識してもらう措置を取る

ここからは、上記の対策について、より詳しく解説します。

 

ワイパーの点検

ワイパーは、ゴム製の窓拭き装置です。窓ガラスと接している部分はゴム製の部品となっているため、時間の経過とともに劣化したり硬化したりします。

古いワイパーの場合、窓ガラスの水滴をうまく拭き取ることができず、ワイパーを使っても視界が悪いままになってしまうことがあります。そのため、ワイパーのゴムが劣化していないか、拭き取る際にムラができないか、定期的に確認しておきましょう。

もし、拭きムラができたり、ゴムが硬化して割れてきたりしたときはワイパーゴムの交換時期です。突然降り始めた雨のときに困ることがないよう、ワイパーゴムはしっかりと点検し、必要に応じて交換しておきましょう。

 

デフロスターなどを使う

雨が降り始めたときに窓ガラスが曇ってきたらデフロスターなどを使って曇りを取り除きましょう。

デフロスターを使うときは、カーエアコンのモードを外気循環にし、A/Cをオンにします。内気循環にしていたりA/Cオフにしたりすると、さらに曇ってしまうため、デフロスターを使う際は、循環モードとA/Cの設定に注意してください。

また、リアガラスに熱線が入っている車の場合は、リヤウインドウデフォッガー(リアガラスの熱線スイッチ)をオンにすると、リアガラスの曇りを取り除くことができます。

 

窓ガラスの曇りや水滴の付着を予防する

窓ガラスが曇ってきたときや水滴が付着したときの対策だけでなく、あらかじめ曇りや水滴の付着を予防しておくことも対策の1つです。

窓ガラスの曇りや水滴の付着を予防する方法は、内窓と外窓で異なります。

内窓の曇りを予防する方法は、ホコリや汚れを落としておくということです。窓ガラスの内側の曇りは温度差だけでなく、窓に付着したホコリや汚れなどが原因となることがあります。そのため、定期的に内窓のホコリや汚れを落としておくと曇りにくくなります。

外窓の水滴の付着を予防する方法は、カー用品店などで販売されているガラス用のコーティングを施工するという方法です。窓ガラス用のコーティングを施工しておけば、走行によって発生する風圧で窓ガラスの水滴が吹き飛び、走行するだけで視界がクリアになります。

効果が高い窓ガラス用のコーティング剤であれば、ワイパーが必要ないほど撥水するため、窓ガラスのコーティングは施工しておくとよいといえるでしょう。また、フロントガラスだけでなく、サイドウィンドウやリアウィンドウにも施工しておくと、周囲の安全確認もしやすくなります。

 

走行中は前車に近づきすぎない

走行中は、前車に近づきすぎないようにしましょう。前方を走行する車両に近づきすぎると、前車が撒き上げた水しぶきをかぶってしまい、視界不良になることがあります。また、濡れた路面では制動距離が伸びるため、前車に近づきすぎると、減速や停止ができず追突してしまう危険性が高くなります。

視界不良だけでなく追突を防止するためにも、雨の日は晴れてる日より車間距離を長めにとっておきましょう。

 

周囲の交通に自車の存在を認識してもらう措置を取る

周囲の交通に自車の存在をいち早く認識してもらうことも大切です。

雨の日は、晴れている日と比べると暗いため、周囲の交通(車やバイク、歩行者や自転車)の存在に気づきにくくなります。言い換えると、周囲の交通もあなたの存在に気づきにくい状態だということです。

そのため、周囲の交通にいち早く自分の存在に気づいてもらうことが安全運転をするポイントとなります。

自車の存在を周囲の交通に気づいてもらうためにも、雨の日はライトをつけて走行したり、暗くなり始めたら早めに灯火類を点灯したりしましょう。

 

滑り(スリップ)対策

雨の日は、晴れていて路面が乾いているときよりも制動距離が伸びる傾向にあります。制動距離が伸びる理由は、タイヤと路面の摩擦係数が低くなるためです。また、路面に付着していたホコリ、砂利、オイル、ゴミなどが雨によって浮き出して流れるため、雨の降り始めは特に注意する必要があります。

雨の日に滑らないようにするためには、次のような対策が有効です。

  • 急操作を避ける
  • タイヤの点検をしておく

これらの対策がなぜ有効なのか、詳しく解説します。

 

急操作を避ける

雨の日は、急加速、急ブレーキ、急ハンドルといった急操作を避けましょう。

急操作をすると車の荷重が前方または後方または左右に大きく移動します。荷重が大きく移動すると、荷重がかかった側のタイヤは路面と接地(グリップ)しやすくなり、荷重がかからない側のタイヤは路面から浮き気味になるためスリップしやすくなります。

 

タイヤの点検をする

雨の日に備えて日頃からタイヤの点検をしておきましょう。雨の日に制動距離が伸びたりスリップしたりする原因は、タイヤと路面の摩擦係数が低くなるためです。このタイヤと路面の摩擦係数に影響するのが、タイヤの残り溝の深さとタイヤの空気圧です。

タイヤの残り溝の深さが浅くなると、タイヤの排水性能が低下します。そのため、雨の日の制動距離が伸びたりスリップしやすくなったりするのです。

また、タイヤの空気圧が適正値になっていないと、タイヤと路面の接地面積が小さくなることがあります。そのため、タイヤの残り溝の深さと空気圧は定期的に点検しておくことが重要です。

タイヤの残り溝の点検では、残り溝の深さを目で見たり手で触ったりして確認します。また、スリップサインが出ていないかということについても確認しておきましょう。もし、一部でもスリップサインが出ていたら、速やかにタイヤ交換をしてください。

タイヤの空気圧点検は、適正値になっているか確認します。タイヤの空気圧を確認するときは、タイヤが冷えている状態のときに行ってください。タイヤが温まっていると、正しい数値を測定できません。また、タイヤの空気圧の減り方が均等になっているかどうかという点にも注目しましょう。タイヤの空気圧が1本だけ低い場合はパンクしている可能性があります。

 

雨の日は晴れているときより慎重で丁寧な運転が必要

雨の日は、晴れているときよりも視界が悪かったり制動距離が伸びたりします。そのため、この記事で解説した対策を知って覚えておくだけでなく、実施することが重要です。雨の日に車を運転するときは、晴れている日よりも慎重かつ丁寧な運転を心がけ、事故を起こさないように気をつけましょう。

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