はじめに
夏の終りから秋にかけては、日が短くなり暗くなるのがだんだん早くなってくる時期です。夜間の運転は昼間に比べて気を付けるべきポイントが多いので、昼間との違いを理解し、夜間の運転の注意点をおさらいしましょう。また、意外に知らない車のライトの使い方についても解説します。
夜間の運転とは?昼間との違い
夜間の運転は昼間と比較して、いくつかの異なる要素があります。
1つは、暗くなるため視界が制限されることです。暗闇の中では、物体や障害物が昼間よりもはるかに見えにくくなります。そのため、緊張感が高まり疲れやすくなるというのも、昼間との違いと言えるでしょう。
2つめは、夜間は眠気が襲ってきたり、昼間の疲れが出てきたりするため、運転者の集中力や反応時間が昼間よりも低下しやすくなることです。集中力が低下すると、人や自転車の発見が遅れるなど、危険にすぐに対処できなくなるので、事故のリスクが高まります。
夜間の運転のポイント
夜間の運転において重要なポイントは、4つ挙げられます。
1.昼間より車間距離をとる
夜間は昼間に比べて周囲の見える範囲が変わります。特に、夜間照明のない道路ではライトが照らす範囲しか障害物を確認できないため、夜間は昼間よりも速度を落とすと同時に、車間距離も長めにとって運転するのがポイントです。
車のライトが照らせる範囲は、上向きで100メートル、下向きでは40メートルなのでこの範囲内で停止できる車間距離が必要です。
2.対向車のライトがまぶしいときは視点を変える
夜間に対向車のライトが直接目に入ると、まぶしさによって一時的に周囲が見えなくなる「げん惑」という状態になります。「げん惑」の状態から正常な視力に戻るまでには数秒かかるため、その間は目が見えない状態となりとても危険です。
対向車のライトがまぶしいときは、視点を少し左前方に移し、ライトを直視しないようにするのがコツです。また、相手もまぶしくないように、対向車とすれ違うときには手前でライトを下向きにしましょう。
3.蒸発現象に注意する
夜間は、自車のライトと対向車のライトによって、道路の中央付近の歩行者や自転車が見えなくなる「蒸発現象」が起こることがあるので注意してください。
特に、夜間照明がない暗い道路は蒸発現象が起きやすくなります。また、雨が降ると濡れた路面にライトが反射することでさらに見えにくくなるため、速度を落とすことも重要です。
4.ライトで見る距離感の違いに注意する
夜間は、前方を走る車や対向車との距離を、テールランプやライトの明るさで判断します。
しかし、トラックなど大型車のテールランプ・ライトは普通車よりも高い位置にあるため、前方を走るトラックまでは実際よりも距離が長い、対向車の大型車はまだ遠いなど判断を誤ってしまうことがあるので注意してください。
二輪車は、四輪車よりもライトが暗く数も少ないため、見落としてしまうことがあります。テールランプも小さく見えづらいため、実際よりも距離があると勘違いしやすいのでより注意が必要です。
夜間の運転|車のライトの使い方
夜間の運転では、車のライトを適切に使うことが危険や事故防止につながります。
早めにライトをつける
夜間の運転では、視界を確保することが重要です。視界を確保するためには、車のライトを適切に使用し、周囲の状況を正確に把握する必要があります。
人の目は少しずつ暗くなっていくとそれに順応しますが、夕暮れどきは暗くなる速度が速いため順応できないこともあります。順応できていないと、視力が低下している状態で運転することになるのでとても危険です。
そのため、たとえ「暗い」という時間帯でなくても、早めにライトを点灯するようにしましょう。
夜間駐停車時の注意点
夜間に駐停車をするときには、必ず駐車灯か尾灯、または非常点滅表示灯(ハザード)を点けましょう。
照明施設が整備されている道路も多く、深夜まで営業するコンビニエンスストアが増えたため夜間でも明るい場所があります。しかし、明るい場所以外では、停車している車や歩行者はとても見えにくいので注意してください。
また、沿道のお店に気を取られて脇見運転をすると、歩行者や自転車、駐停車している車に気付くのが遅れることもあるので、しっかり前方や周囲に集中しましょう。
室内灯の点灯制限
バス以外の自動車の室内灯は、走行中につけないようにしましょう。
前照灯を正しくつかう
交通量が多い場所や市街地の道路では、前照灯を下向きにするのが基本です。
照明施設やお店が少ない暗い道路では、少しでも早く歩行者や自転車、駐停車している車を発見するために前照灯を上向きにしましょう。ただし、向かい側から人や車が来た場合は、まぶしくないようにすぐに下向きにしましょう。
また、カーブの手前や交差点など見通しの悪い場所では、前照灯を上向きもしくは点滅(パッシング)させて、歩行者や他の車に接近を知らせましょう。
まとめ
車を運転するときには、常に安全に気を付けなければいけません。しかし、夜間は昼間と運転環境が異なるので、より注意が必要になります。
周囲の車両や交通標識への意識や適切なライトの使い方、自分の体調管理などのポイントを守ることが、夜間の運転の安全性向上につながるということを覚えておきましょう。
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