目次
中型車とはどんな車?
普通車や大型車などの違いとは
中型自動車を運転するためにはどの順番で免許を取得すればいいのか
中型免許を取得するまでの流れ
中型免許で乗れる車種は?
中型車に乗れる免許を持っていると活躍できる幅が広がる
運転免許には、「第一種」「第二種」「仮免許」と3つの区分があり、それぞれに複数の種類があります。今回はどの区分にもある「中型車」および中型自動車について詳しく解説します。そもそも中型車とはどのような自動車なのか、普通車や大型車との違いは何なのかなどを紹介していますので、中型車の免許取得が必要なのか悩んでいる方や中型免許の取得を検討している方は参考にしてみてください。
中型車とはどんな車?
中型車とは、4tトラックや8tトラック、マイクロバスなど、普通車や準中型車などより大きく、より多くの荷物や人を乗せることができる自動車です。中型車を運転するためには、「中型免許」が必要となります。
中型免許でなければ運転できない自動車の条件に1つでも当てはまる場合は中型免許が必要です。無免許運転にならないよう条件をしっかりと確認しておきましょう。
中型免許で運転できる中型車の条件は次のとおりです。
- 車両総重量:7.5t以上11t未満
- 最大積載量:4.5t以上6.5t未満
- 乗車定員:11人以上29人以下
これらの条件のうち、1つでも当てはまる場合は中型免許がなければ運転できません。
中型免許の8t限定とは?
中型車を運転できる中型免許に「8t限定」の条件が付されている場合があります。この中型免許の8t限定は、免許制度改正前に普通自動車の運転免許を取得した方が免許更新をした際に付される条件です。
8t限定の中型免許を保有している方が運転できる中型車の条件は次のとおりとなります。
- 車両総重量:8t未満
- 最大積載量:5t未満
- 乗車定員:10人以下
上記の条件をすべて満たしている中型自動車であれば、8t限定の中型免許で運転することができます。そのため、11人以上の乗車人数となるマイクロバスやハイエースなどを運転する際は、限定解除をして、条件が付されていない中型免許を取得しなければなりません。
普通車や大型車などの違いとは
ここまで「中型車」や中型車を運転できる「中型免許」について解説してきました。では、中型車は普通車や大型車などと何が違うのでしょうか。ここでは、普通車・準中型車・中型車・大型車の違いをまとめて紹介します。
普通車・準中型車・中型車・大型車の違い一覧表
普通車 |
準中型車 | 中型車 |
大型車 |
|
車両総重量 |
3.5t未満 | 3.5t以上7.5t未満 | 7.5t以上11.0t未満 | 11.0t以上 |
最大積載量 |
2t未満 |
2.0t以上4.5t未満 |
4.5t以上6.5t未満 |
6.5t以上 |
乗車定員 |
10人以下 |
10人以下 |
11人以上29人以下 |
30人以上 |
受験資格 |
18歳以上 | 18歳以上 |
原則として20歳以上、 免許期間2年以上(※1) |
原則として21歳以上、 免許期間3年以上(※2) |
※1:年齢が20歳以上で、準中型・普通又は大型特殊免許を取得して、いずれかの免許を受けていた期間が2年以上のかた(免許の効力が停止されていた期間を除く)。ただし特定の教習等を修了したかたは運転経歴等が短縮となる場合があります(要修了等証明書)。
※2:年齢が21歳以上で、中型・準中型・普通又は大型特殊免許を取得して、いずれかの免許を受けていた期間が3年以上のかた(免許の効力が停止されていた期間を除く)。ただし特定の教習等を修了したかたは運転経歴等が短縮となる場合があります(要修了等証明書)。
上記の一覧からもわかるように、車両重量や最大積載量、乗車定員、受験資格(免許取得可能な年齢条件等)がそれぞれ異なります。このようなことからも、どの免許が必要なのかを見極めて免許取得計画を立てていくことをおすすめします。
取得すると乗れるようになる自動車は?
普通免許・準中型車免許・中型免許・大型免許において、それぞれどのような自動車等を運転できるようになるのかまとめて見てみましょう。
免許一覧 |
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取得した免許の種類 |
運転することができる自動車等の種類 |
大型車(大型免許) |
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中型車(中型免許) |
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準中型車(準中型免許) |
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普通車(普通免許) |
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このようなことからも、大きい自動車を運転できる免許を取得しておけば、さまざまな自動車を運転することができるといえます。
中型自動車を運転するためにはどの順番で免許を取得すればいいのか
就職する会社や業種などによっては、中型自動車を運転できる免許が必須という方もいるでしょう。では、どのような順番で運転免許を取得していくのがよいのでしょうか。
すでに「普通免許」を取得している場合
すでに「普通免許」を取得している方が中型免許以上の運転免許を取得する場合は、まず受験資格や今後運転する予定がある自動車を確認しましょう。
受験資格(運転免許を取得できる年齢条件等)によって、受験資格特例教習を修了するか、中型免許または大型免許を取得するために教習所に通うか、免許センターで受験(いわゆる一発試験)するかが変わります。
また、今後運転する予定がある自動車の種類によっては、中型免許も運転することができる大型免許を取得した方がよいという方もいるでしょう。そのため、それぞれどのような免許が必要になるのかを確認したうえで、教習所に通ったり試験を受験したりすると最小限の手間で中型自動車を運転できるようになります。
運転免許を初めて取得する場合
現在保有している運転免許がない場合は、普通車または準中型車の運転免許を取得するところからスタートとなります。
なぜなら、受験資格特例教習の特例が適用されるのは、19歳以上で普通免許などを受けていた期間が通算して1年以上なければならないためです。また、中型免許は原則として20歳以上かつ免許を受けていた期間が2年以上なければ受験することができません。
そのため、保有している運転免許がない場合は、普通免許または準中型免許を取得した後、受験資格特例教習を受けたり、中型免許の教習を受けたりすることとなります。
中型免許を取得するまでの流れ
中型自動車を運転できる中型免許を指定自動車教習所で取得する場合、次のような流れとなります。
【普通免許を保有している場合】
- 指定自動車教習所へ入校
- 第1段階の教習を受ける
- 修了検定を受験。仮免許の交付を受ける
- 第2段階の教習を受ける
- 卒業検定を受験。卒業証明書を受け取る
- 免許センターで手続きして免許を取得する
免許取得までの流れからもわかるように、中型免許も普通免許と同じように、第1段階の場内教習と第2段階の路上教習があります。
中型免許で乗れる車種は?
中型免許で運転できる中型自動車は主にトラックです。ただし、トラック以外にも運転できる自動車はあります。また、乗用車とほぼ同じ大きさの自動車であるにもかかわらず、中型免許が必要となる自動車もあるため、見た目だけで判断するのではなく、車両総重量や最大積載量、乗車定員などをしっかりと確認し、運転することができるか判断しなければなりません。
たとえば、送迎などに使われるマイクロバスは中型免許が必要です。10人以下のマイクロバスであれば8t限定で運転することも可能ですが、11人以上29人以下のマイクロバスを運転する場合は、限定の条件がない中型免許が必要となります。
また、ハイエースの一部車種についても中型免許が必要です。一般的なハイエースバンやハイエースワゴンであれば、普通免許で運転できます。しかし、ハイエースコミューターは、乗車定員が14人となるため、中型免許でなければ運転できません。そのため、レンタカーや会社にあるハイエースを借りる場合は、乗車定員などをしっかりと確認し、運転できる免許を受けているか確かめる必要があります。
中型車に乗れる免許を持っていると活躍できる幅が広がる
中型車は大型車より小さく普通車より大きいサイズの自動車です。そのため、普通車に乗れれば十分と考えている方や大きい車に乗る予定がない方などは、その必要性を感じないかもしれません。
しかし、中型車を運転できる免許(中型免許)を持っていると、マイクロバスや11人以上のワゴン車を運転することができるため、部活動の遠征や送迎の仕事など、さまざまな場面で活躍することができます。
よって、中型車を運転できる中型免許を取得しておくと、プライベートでも仕事でも活躍できる幅が広がるでしょう。大人数で出かけたい、大人数の遠征を1台の車で行けるようにしたいと考えているのであれば、中型免許を取得するとよいかもしれません。