車の運転免許の有効期間は、道路交通法により定められています。そのため、一定期間ごとに運転免許の更新が必要です。では、運転免許を更新する際の手続きはどのようにすればよいのでしょうか。今回は、運転免許の更新が必要な理由や更新手続き手順、運転免許の更新を忘れるとどうなるかなどを解説します。
免許更新とは?
車の運転免許は、道路交通法に「自動車および一般原動機付自転車(自動車等)を運転しようとする者は、公安委員会の運転免許を受けなければならない」と定められているとおり、自動車等の運転に必要な許可証です。
この運転免許には有効期間が定められており、一定期間ごとに運転免許の更新が必要となります。運転免許の有効期間は、区分ごとに異なります。区分ごとの運転免許の有効期間は次のとおりです。
運転免許の有効期限
免許証の有効期間 | ||
免許証の交付または更新を受けた者の区分 | 更新日等における年齢 | 有効期間の末日 |
優良運転者および一般運転者(優良運転者または違反運転者等以外の者) | 70歳未満 | 満了日等の後のその者の5回目の誕生日から起算して1ヶ月を経過する日 |
70歳 | 満了日等の後のその者の4回目の誕生日から起算して1ヶ月を経過する日 | |
71歳以上 | 満了日等の後のその者の3回目の誕生日から起算して1ヶ月を経過する日 | |
違反運転者等 | 満了日等の後のその者の3回目の誕生日から起算して1ヶ月を経過する日 |
免許更新の手続き|期間や所要時間は?
運転免許を更新するためには、更新期間内に住所地を管轄する公安委員会が行う適性検査と講習を受けなければなりません。免許の更新が近づくと、ハガキ(更新連絡書)が届くため、どの区分の講習を受けるか、手数料等がいくらかなどが事前に分かります。
免許更新の期間は誕生日の前後1ヶ月間
運転免許の更新期間は、免許証の有効期間が満了する日の直前のその方の誕生日の前後1ヶ月間です。つまり、誕生日を挟んだ2ヶ月間の間に更新手続きをしなければなりません。
ただし、有効期間の末日が日曜日、土曜日、祝日・祭日、年末年始などの休日にあたるときは、これらの日の翌日までの間となります。また、誕生日が2月29日生の場合は、うるう年以外の年における誕生日は2月28日とみなされます。
更新時講習の時間と手数料
運転免許を更新する際に受ける講習は、「優良運転者」、「一般運転者」、「違反運転者」、「初回更新者」など、それぞれの状態によって異なります。
ここでは、それぞれの区分の講習時間や手数料について見ていきましょう。
講習区分および時間と手数料(講習手数料と更新手数料) | ||||
講習区分 | 講習時間 | 手数料(2024年7月8日現在) | ||
講習手数料 | 更新手数料 | 手数料合計 | ||
優良運転者 | 30分 | 500円 | 2,500円 | 3,000円 |
一般運転者 | 1時間 | 800円 | 3,300円 | |
違反運転者 | 2時間 | 1,350円 | 3,850円 | |
初回運転者 | 2時間 | |||
高齢者講習受講者 | – | – | 2,500円 |
最近は、手数料のキャッシュレス化が進んでいます。場所によっては、窓口で現金が使えない場合もあるので、事前にチェックしておきましょう。
免許更新時に必要な持ち物
運転免許を更新する際には、運転免許証や手数料など持参しなければならない持ち物があります。ここでは、運転免許を更新する際に必要となる主な持ち物について紹介します。
- 現有の運転免許証(行政処分中の方は運転免許停止処分書および申請用写真1枚)
- 更新連絡書(更新通知のハガキ)
※更新連絡書(ハガキ)がなくても手続きすることは可能ですが、受付で講
習区分などの確認をしなければなりません。そのため、ハガキなしの場合よ
りも時間がかかる場合があります。 - 高齢者講習該当者は、高齢者講習終了証明書または特定任意高齢者講習終了証明書などの書類
- 特定任意講習または運転免許取得者教育受講済者は、講習済証明書などの書類(申請前6か月以内のものに限る)
- 手数料(講習区分によって異なります)
- 眼鏡や補聴器など(条件がついている方はもちろん、条件が付されていないものの、適性検査に合格できるか不安な方は持参してください)
- 記載事項の変更を同時に行う場合は変更を証明する書類(なお、運転免許証の裏面に変更事項が記載されている場合は更新時に改めて変更を証明する書類などを持参する必要はありません)
主な持ち物は上記のとおりとなりますが、一時帰国している方や外国籍の方などは必要書類が異なる場合があります。詳しくは各都道府県公安委員会に必要書類を確認してください。
運転免許更新の流れ
運転免許更新の流れは、更新場所(免許センターまたは警察署)によって異なります。ここでは、更新後の運転免許が即日交付される免許センターでの更新の流れを紹介します。
【免許更新の流れ(免許センターで更新手続きをする場合)】
- 申請書の作成・暗証番号の設定
- 適性検査(視力や深視力など)
- 更新審査
- 写真撮影
- 更新時講習の受講(高齢者講習受講済みの方などは免許センターにおける講習はありません)
- 更新後の運転免許証の交付(即日)
免許更新の有効期間が過ぎたらどうなる?
運転免許の更新を忘れたり、有効期間が過ぎてしまったりすると、運転免許は失効します。そのため、更新期間の間に運転免許は確実に更新しておきましょう。
もし、やむを得ない事情などにより運転免許の更新ができなかった場合は、失効してからの期間に応じて、免許を取得する際の免許試験の一部が免除されます。
ここからは、失効してからの期間ごとに免除される免許試験や、やむを得ない事情として認められる事例を紹介します。
【1】失効日から6ヶ月を経過していない場合
失効日から6ヶ月を経過しない期間内であれば、免許試験のうち、修了検定および仮免学科試験が免除されます。
また、やむを得ない理由により免許証の更新を受けなかった方が、失効後6ヶ月を経過しない期間内に免許を再取得した場合、失効した免許を受けていた期間を継続して免許を受けている期間として扱います。そのため、過去の運転経歴が基準に適合したものであれば、優良運転者または一般運転者となります。
<やむを得ない理由として認められるもの>
- 海外旅行や災害などの場合
- 病気や負傷などの場合
- 法令の規定により身体の自由を拘束されていた場合
- 社会の慣習上または業務の遂行上やむを得ない用務が生じていた場合
【2】失効日から6ヶ月超〜3年を経過しない場合
海外旅行や災害など、やむを得ない理由のために、失効日から6ヶ月を経過しない間に試験を受けることができなかった場合、当該事情が終わってから1ヶ月を経過しない期間内であれば、免許試験のうち修了検定および仮免学科試験が免除されます。
また、やむを得ない理由により免許証の更新を受けなかった方が、免許を再取得した場合には、失効した免許を受けていた期間を継続して免許を受けている期間として扱います。そのため、過去の運転経歴が基準に適合していれば、優良運転者または一般運転者となります。
<やむを得ない理由として認められるもの>
- 海外旅行や災害などの場合
- 病気や負傷などの場合
- 法令の規定により身体の自由を拘束されていた場合
- 社会の慣習上または業務の遂行上やむを得ない用務が生じていた場合
【3】失効日から6ヶ月超〜1年を経過しない場合
大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車を運転できる免許の更新を受けなかった方(やむを得ない理由があった方を除く)については、失効日から6ヶ月超〜1年を経過しない期間内であれば、 仮免許試験の修了検定および仮免学科試験が免除されます。
【4】失効日から3年を経過した場合
試験の一部免除は認められません。つまり、ゼロから取得することとなります。
運転免許の更新は忘れずに
運転免許は、一定期間ごとに更新しなければなりません。更新を忘れると再取得が必要となります。運転免許を再取得することになると、運転免許の更新より時間や手間がかかる場合がほとんどです。そのため、運転免許の更新のお知らせハガキが届いたら、忘れないうちに更新手続きを済ませるようにしましょう。