はじめに
運転している時に交通事故を起こしてしまった場合、ドライバーは負傷者に「応急救護」を行わなければなりません。しかし、いきなり事故を起こしてしまったり、自分や同乗者がけがを負ったりしていたら、知識がないと何をして良いかわからないでしょう。
そのため、自動車教習所では道路交通法において「応急救護処置」についての受講が義務付けられています。
ここでは、応急救護の基礎的な知識から具体的な教習の流れ、内容について解説していきます。
応急救護とは
「応急援護」とは、運転手もしくは同乗者が交通事故や突然の健康問題に直面した際に、適切な応急手当を行うための訓練や教育プログラムのことを指します。
運転手には、運転中に事故や急病に遭遇した場合、119番への通報や車を停止もしくは安全な場所まで移動させる義務があります。また、事故や病気の度合いによっては救急車が到着するまで、心臓マッサージや止血措置などの救命措置を行わなければなりません。
応急救護は道路交通法で定められている義務となっており、適切な対応を行わない場合は罰則対象となります。
しかし、実際に事故や急病に直面したら、慌てたり混乱したりして「応急救護」ができない可能性があります。適切な対応ができないと、傷病者は命を落としてしまうかもしれません。
そのため、万が一の状況でも的確に対応できるよう、道路交通法施行令では「応急救護」の項目が教習内容に含まれています。
ただし、医師、看護婦などの資格をお持ちの方は免除になりますので、事前に確認してください。
教習所の応急救護の内容と流れ
応急援護の訓練では、以下のような内容が含まれることが一般的です。
1. 応急手当の基本を学ぶ
まず教習生は交通事故や急病に遭遇した際に、生命を脅かすような出血、呼吸困難、心停止などの緊急状況に対処するための基本的な応急手当の方法を学びます。
内容は出血の止め方、骨折の応急処置、意識を失っている人への対処法などがあります。
2. AED(自動体外式除細動器)の使い方を学ぶ
心臓停止や心室細動などの状況でAEDを使用して、心臓のリズムを正常に戻す手順を学びます。AEDの正しい使用方法や適切な操作について理解し、実践的な訓練を受けます。練習用のダミーにAEDを使用して、実際の状況に近い訓練を行うのが一般的です。
3. 意識・呼吸・心拍の判断
教習では緊急事態時に傷病者の状態を確認する方法として、意識と呼吸の確認、心拍の状態を判断する技術を身につけます。さらに、緊急時に適切な応急手当を行うための判断基準も身につけることが可能です。
4. 救急車が到着するまでの管理
緊急時の状況を把握し、救急車が到着するまでの間、傷病者を安定した状態で維持するための措置を行います。傷病者と周囲の安全性の確保、医療専門家とのコミュニケーション、状況の記録などが含まれます。
5. 応急救護をする場合のシミュレーション練習
実際の緊急事態に近いシミュレーション練習を通じて、教習生や関係者が正確かつ迅速に対応できるように訓練します。訓練は、緊急時の行動パターンを習慣化し、自信を持って対応できるようにすることを目的としています。
教習所での応急援護の訓練は、教習生や関係者の安全を確保するだけではなく、社会的責任を果たすという観点からも重要な教習です。
応急救護はなぜ重要なの?
自動車教習所で学ぶ「応急救護」は、緊急時に適切な対応をするための重要なスキルを身につける大切な教習です。訓練では、運転中の交通事故や健康上の問題に遭遇した際に、迅速かつ効果的な応急手当を行うための基本的な知識や技能を学びます。
教習所で応急救護を学ぶことは、運転手や同乗者の安全を確保するために必要不可欠です。交通事故や突然の健康問題は予測不可能であり、遭遇した際に的確な応急手当が行えなければ、重篤な結果につながる可能性があります。しかし、応急救護の教習を受けておけば、緊急時であっても学んだ知識を活かし、自信を持って適切な行動を取ることで、傷病者の生命を救うことができるかもしれません。
また、教習所で応急救護を学ぶことは、社会的責任を果たすという観点からも重要です。交通事故は社会全体に影響を及ぼし、対処するには周囲の人々の協力が必要になります。教習所での応急救護の訓練は一般市民が助け合い、安全確保をするために大切な技術を学べます。
以上の理由から、「応急救護」の訓練は車を運転する際に重要なスキルかつ必要不可欠といえます。
まとめ
「応急救護」の教習は、本免試験合格後に行われる「取得時講習」でも受講できます。しかし、仮免許取得後に「特定教習」を受講しておけば「取得時講習」が免除となり、本免試験合格後はスムーズに免許証が交付されます。
埼玉県さいたま市西大宮と上尾市にあるファインモータースクールでは、仮免許取得後の「応急救護講習」も行っているので興味がある方はご相談ください。