エンジン排気量250ccのバイクは、運転する楽しさと手軽さを両立している魅力的なバイクです。今回は、250ccのバイクにどのような特徴があるのか、250ccのバイクに乗るために必要な運転免許の種類と取得方法、運転免許を取得する際の試験の難関と対策について解説します。
これから250ccのバイクに乗れる運転免許を取得しようとしている方は、ぜひ最後までご覧ください。
エンジン排気量250ccのバイクとは?
250ccのバイクは、そのエンジン排気量から「ニーハン」ともいわれるバイクで、街乗りで運転しやすく長距離移動に必要な荷物も運べるボディサイズが特徴です。
また、小型バイクでは乗ることができない高速道路に乗れたり、2人乗りをしたときの動力不足を感じにくかったりすることもポイントとなっています。さらに、エンジン排気量250ccまでであれば車検がなく、定期的にかかる費用(維持費)を抑えることができるため、2台目の乗り物としても最適です。
このように、さまざまなメリットがあり、日常使いから休日のツーリングまで対応できる普通自動二輪車が250ccのバイクなのです。
250ccのバイクに乗るために必要な運転免許は、普通自動二輪免許(MTまたはAT。AT限定の場合にはAT車にのみ乗ることが可能)で、16歳から取得することができます。そのため、初めての運転免許が普通自動二輪車という方も少なくありません。
250ccのバイクに乗るために必要な運転免許の取得方法
エンジン排気量250ccのバイクに乗るために必要な普通自動二輪免許を取得する方法は、指定自動車教習所に通う方法と免許センター(試験場)で一発試験を受ける方法の2つです。ここからは、免許取得方法の特徴や費用などについて解説します。
教習所(指定自動車教習所)で取得する場合の流れと教習の時間および費用について
まず、教習所(指定自動車教習所)で普通自動二輪車の運転免許を取得するメリットや方法から解説します。
教習所に通って普通自動二輪免許の教習を受けて試験に合格して卒業すると、免許センターでの技能試験が免除されることがメリットです。また、原動機付自転車(いわゆる原付き/一般原動機付自転車)・小型特殊自動車以外の運転免許をすでに保有している方(普通自動車の運転免許など)は、学科教習および免許センターにおける学科試験も免除となります。
そのため、普通自動車の免許を取得してから普通自動二輪の免許を取得するという方も多くいます。このように、教習所を卒業すると免許センターにおける試験の一部または全部が免除されることがメリットです。
では、教習所に入校してから卒業までの流れや教習について詳しく解説します。
入校から卒業までの流れ
教習所に入校してから卒業するまでの流れは次のとおりです。
- 教習所に入校する
- 第1段階の教習を受ける(普通自動車等の免許なしの方は学科教習も受ける。普通自動車等の免許ありの方は学科教習が免除される)
- 第1段階のみきわめに合格する
- 第2段階の教習を受ける(普通自動車等の免許なしの方は学科教習も受ける。普通自動車等の免許ありの方は1時限:危険予測ディスカッション・二人乗り運転に関する知識の学科を受ける)
- 第2段階のみきわめに合格する
- 卒業検定を受ける
- 指定自動車教習所を卒業(卒業証明書の受け取り)
上記のような流れで教習を受けて卒業します。教習所を卒業したら、免許センターでの手続きです。
初めて運転免許を取得する方は、学科試験を受け、合格すると免許が交付されます。すでに運転免許を保有している方は、免許センターでの手続きのみとなります。
技能教習と学科教習の時限数や費用の目安
教習の課程(最短時限数等)は次の一覧のとおりです。
指定自動車教習所における普通自動二輪免許にかかる教習の最短限数や費用一覧
免許の種類と保有免許 | 第1段階の教習 | 第2段階の教習 | 費用の目安 | ||
技能教習 | 学科教習 | 技能教習 | 学科教習 | ||
普通自動二輪MT(免許なし) | 9時限 | 10時限 | 10時限 | 16時限 | 15万円〜20万円 |
普通自動二輪MT(普通免許あり) | 9時限 | 0時限 | 8時限 | 1時限 | 10万円〜15万円 |
普通自動二輪AT限定(免許なし) | 5時限 | 10時限 | 10時限 | 16時限 | 15万円〜20万円 |
普通自動二輪AT限定(普通免許あり) | 5時限 | 0時限 | 8時限 | 1時限 | 10万円〜15万円 |
※技能教習の時限数は最短時限数
※費用は教習所によって異なるため、詳しい料金については各教習所に問い合わせてご確認ください。
上記の一覧からもわかるように、普通自動車の運転免許等をはじめとする免許保有者と初めて運転免許を取得する方では、技能教習の最短時限数や学科教習の時限数が異なります。そのため、卒業するタイミングにも違いがあります。
また、一覧表の教習時限数は最短時限です。運転技術の習得状況によって時限数は変化するため、必ずしも最短時限で卒業できるわけではありません。
運転免許を取得するまでの期間は、教習所へ通って免許を取得するか合宿免許で取得するかで異なります。そのため、いつまでに普通自動二輪免許を取得したいのか、まとまった期間の休みや時間が取れるかなど、さまざまなことを考慮して教習所通いにするか合宿免許にするかを決めましょう。
免許センターで試験(一発試験)を受けて取得する場合
次に、免許センターで試験を受ける(一発試験)方法や注意点について解説します。
免許センターで試験を受ける場合、技能教習および学科教習を履修する必要がありません。直接免許センター(試験場)へ出向き、試験を受けて免許を取得します。そのため、免許センターまでの移動時間と試験の時間と試験や免許交付にかかる費用のみで普通自動二輪免許を取得することが可能です。
ただし、免許センターで普通自動二輪の一発試験に合格した場合、必要な講習(普通自動二輪の取得時講習と応急救護処置講習)を指定自動車教習所で受講(一部または全部が免除される場合もあるため、合格後免許センターにて確認してください)した後に、免許交付となります。
免許センターでの試験や免許交付にかかる費用(手数料)や講習受講料は次のとおりです。
※2024年8月現在
- 申請手数料:2,600円
- 車両使用料:1,450円
- 免許の交付手数料:2,050円
- 普通二輪車講習:12,000円
- 応急救護処置講習:4,200円
上記の費用を合計すると、取得時講習を受けた場合であっても22,300円で普通自動二輪免許を取得することができます。そのため、免許取得にかかる費用を最小限に抑えたいのであれば、一発試験を受けた方がよいといえるでしょう。
しかし、初めてバイクを運転する方にとっては難易度が高い試験となります。費用を抑えたい方や教習を受ける時間がない方は、普通自動二輪の一発試験を受けてみるのもよいといえますが、文字通り一発で試験に合格するのは難しいでしょう。
安全運転のルールやマナー、正しい運転操作を学んでからバイクに乗るためにも、教習所に通い、教習を受けて段階的に運転技術を向上させてから免許を取得した方がよいといえるでしょう。
普通自動二輪車の試験における難関項目と注意点
普通自動二輪車の技能試験では、S字・クランク・一本橋・スラロームといった課題をクリアする必要があります。
これら課題走行の部分には、パイロンや縁石などが設置されていることが多く、パイロンに接触したり縁石を乗り越えたりすることがないようにしなければなりません。もし、パイロンに接触したり縁石を乗り越えたり一本橋で脱輪(一本橋から落ちる)したりすると、試験中止(一発不合格)となります。
そのため、教習中にこれらの課題を確実にクリアできるようしっかりと練習しておくことが大切です。
また、試験中に緊張してしまい普段通りの運転ができないこともあるでしょう。試験中は、上手に走ろうとするのではなく、安全運転に重点を置き、運転操作や安全確認などを丁寧かつ確実に行うよう心がけましょう。
250ccのバイクに乗れる免許を取得してバイクのある生活を楽しもう
250ccのバイクに乗れる運転免許を取得すると、原付きや小型自動二輪(125ccのバイク)などでは通ることができない高速道路を走れるようになるため、今まで行くことができなかった場所まで出かけられるようになります。また、バイク仲間とツーリングを楽しむことも可能です。
さらに、車とは違った運転の楽しさを感じられたり、いつもの道が違う景色に見えたり、新たな発見があったりするのも250ccバイクに乗れるようになるメリットです。加えて、エンジン排気量250ccのバイクは車検がないため、車検がある251cc以上のバイクよりも維持費を抑えられるのも見逃すことができないポイントといえるでしょう。
あなたも250ccのバイクに乗れる運転免許を取得して、250ccのバイクに乗って、バイクがある楽しい生活をはじめてみてはいかがでしょうか。