高齢ドライバーと制度改正の最新動向

 高齢化が進む日本において、「高齢者の運転免許制度の見直し」は、社会全体に関わる重要なテーマとなっています。安全な交通社会の実現には、高齢ドライバー自身の自覚とともに、制度や家族のサポートも不可欠です。

2022年5月13日には、免許更新に関わる制度改正が実施され、安全運転を支援する新たな制度や運転支援システムの導入が進められています。本記事では、「高齢者の免許制度改正」に関心のある方へ向けて、最新の動きや対応策についてわかりやすく解説します。

高齢ドライバーの免許更新制度の最新動向

現在、日本では75歳以上の高齢ドライバーが増加しており、交通事故のリスクへの対策が課題となっています。こうした背景を踏まえ、2022年5月13日に道路交通法が改正され、高齢運転者に対する安全対策が強化されました。主な目的は、一定の違反歴がある75歳以上の方を対象に、安全運転の継続をより確実に支援することです。

主な改正ポイント

高齢ドライバーが安全に運転を続けられるよう、「支援と選択肢を広げる」方向で制度が整えられてきています。

高齢者講習で行われる検査の種類

運転に必要な認知力や判断力、動作の確実性を評価するため、さまざまな検査が導入されています。

検査の種類と内容

• 認知機能検査：記憶力・判断力を測定。検査結果によって更新手続きが変わる
• 運転技能検査：指定コースで実際の運転技術を確認（75歳以上・一定の違反歴がある方が対象）
• 臨時適性検査：認知機能検査で「認知症のおそれがある」という結果が出た場合に受検が必要

自動車メーカーが提供する高齢者向け運転支援システム

高齢者の運転を支えるため、近年の自動車にはさまざまな先進安全技術が搭載されています。判断ミスや操作ミスをカバーし、事故のリスクを大きく減らすことができます。

主な支援システムと効果

サポートカーは安全上便利な機能ですが、その限界や注意点を正しく理解し、その技術を過信せずに運転しましょう。

家族ができる！高齢ドライバーの安全運転サポート

運転を続けるか、免許を返納するかの判断には、本人だけでなく家族の声かけや見守りも大きな役割を果たします。特に判断力や反応に不安を感じたときは、以下のようなポイントに注目しましょう。

家族が気をつけたいサイン

• 出発や右左折のタイミングが不自然に遅い、または速すぎる
• 目的地にたどり着けない、道に迷うことが多くなった
• クルマにキズやこすり跡が増えてきた

こうした変化を感じたら、教習所での運転練習や、専門機関の相談窓口を活用するのも一つの方法です。ファインモータースクールでは、免許所持者向けの運転相談や実技練習にも対応しています。

免許返納後の移動手段：タクシー・公共交通の活用

免許返納を決めたあとの生活も、しっかりと支えていくことが大切です。近年は高齢者の移動手段も多様化しており、地域ごとにサポート制度も充実しています。

一部自治体では「運転免許返納者向けの交通ICカード支援」や「タクシー利用補助」などの制度を設けている場合もあります。お住まいの地域の情報を確認し、スムーズな移行をサポートしましょう。

制度改正と支援を正しく理解して、安全な選択を

若い頃に免許を取って以来、教習所に足を運ぶ機会はありましたか？
年齢とともに体の動きや反応のスピードが少しずつ変わっていく中で、運転のしかただけが、昔のままになっているかもしれません。

免許制度の変更やそれに伴う高齢者講習は、こうした変化に気づき、安全に運転を続けていくためのメンテナンスの機会でもあります。ご自身の運転を見つめ直し、これからも安心してハンドルを握るための第一歩として、前向きにご活用ください。

ファインモータースクールには、高齢者講習専門の校舎もございます。どうぞお気軽にご相談ください。