バイクに乗るとき、どのような服装で、どのような装備を着用していますか?実は、バイクに乗るときは、車以上に服装や装備に気を遣う必要があります。
この記事では、バイクに乗るときに着用する服装や装備がなぜ重要なのか、装備を選ぶときにどのような点に着目したらよいのか解説します。これからバイクの免許を取得する方はもちろん、久しぶりにバイクに乗る方も参考にしてみてください。
目次
バイクに乗るときにヘルメットやプロテクターなどの装備が必要な理由
バイクに乗る際は、ヘルメットやプロテクターなどの装備品を身に着けるのを推奨します。
頭部を守るヘルメットは、着用が義務付けられているため、ほぼすべての人がバイク=ヘルメット着用という認識になっています。しかし、身体を守るためのプロテクターの装着率は、ヘルメットほど高くありません。また、プロテクターの着用は、大きいバイクに乗るときに身に着けるものだと誤解している人も多いようです。
東京都内における、自動二輪車(バイク)を乗車しているときの死亡事故における損傷部位を見てみると、頭部、胸部、腹部、その他の順となっています。(*1)このことからも、バイクに乗るときは、頭部だけでなく、胸部や腹部などの部位も守っておく必要があるといえるでしょう。
胸部や腹部、肘・膝などを守るプロテクターは、ケガを防止するだけでなく、致命傷となる損傷を負わないようにするために必要なのです。バイクの大きさに関わらず着用しておいた方がよいです。
しかし、実際の交通社会に目を向けると、プロテクターを着用せずにバイクに乗っているライダーをよく見かけます。加えて、気温が高い日や夏の時期は、半袖・半ズボンでバイクに乗る人を見ることも多いです。近くのコンビニやスーパーまで買い物へ行くために長袖・長ズボンに着替えたり、プロテクターを着用したりするのは手間がかかりますが、自分自身の安全を守るためにも、短時間の乗車でも長袖・長ズボンを着用したりプロテクターを装着し、肌の露出を最小限にしておくようにしましょう。
*1:交通総務課.‘‘二輪車の交通死亡事故統計(2023年中)’’.警視庁.
バイクに乗るときに着用する衣服の選び方
バイクに乗るときの服装は、基本的に長袖・長ズボンにしましょう。衣服の上からプロテクターを装着する場合、着用する衣服はどのようなものでも問題ありません。しかし、身を守るという観点で衣服を選ぶのであれば、生地が厚めのものを選んでおくと安心です。
もし、衣服の上からプロテクターを装着しない、または着用したくない場合には、プロテクターが内蔵されているライダー用のジャケットやスボンを選びましょう。
プロテクター入りのジャケットやズボンと聞いて、ゴツいデザインのものをイメージされる方もいるかも知れませんが、近年のプロテクター入りジャケットやズボンは、ファッショナブルなタイプも多くあります。
サッと着用して長袖・長ズボンとプロテクターを装着したいのであれば、プロテクター入りジャケットとズボンを1セット用意しておくとよいでしょう。
ヘルメットの選び方
頭部を守るヘルメットは、身に着ける装備品の中でも重要なアイテムであるため、慎重に選ぶ必要があります。
ヘルメットを選ぶときは、必ず頭のサイズに合うものを着用しましょう。もし頭のサイズに合っていないヘルメットを着用した場合、ヘルメット本来の保護機能を果たさなくなります。ヘルメットを選ぶときは、ヘルメットが置いてあるショップへ足を運び、実際に試着してぴったりのサイズのものを選びましょう。
バイク用品店のヘルメットコーナーに行ってみると、頭部のサイズを測定してくれるコーナーを用意している所もあります。初めてヘルメットを購入するときは、頭部のサイズを測定してもらい、どのサイズのヘルメットが合っているか、ヘルメットを選ぶときはどのようなことに気をつけるべきなのかなど、アドバイスを受けながら選ぶとよいでしょう。
これはNG!ダメなヘルメットの選び方
ヘルメットは頭部の大きさに合わせた適切なものを選ばなければなりません。サイズが小さすぎるヘルメットを選んでしまうと、頭の上にヘルメットを乗せるような形になってしまうため、頭部の保護ができなくなります。ヘルメットはしっかりと頭部を守ることができる、適した大きさのものを選びましょう。
また、ゆとりをもって着用したいなどの理由で大きめのサイズのヘルメットを選ぶのもNGです。サイズが大きすぎると、ヘルメットと頭の間に隙間が空いてしまうため、頭部の保護ができなくなってしまいます。
ヘルメットは、大きすぎても小さすぎても頭部を守ることができないため、必ず頭のサイズに合うものを選ぶようにしてください。さらにその中でも、PSCマークの付いた法令による安全規格を満たすものを選んでください。
グローブの選び方
グローブ(手袋)は、手を守る重要な装備品です。時々、グローブを選んだり着用したりするときに “肌が露出してなければ良いだろう”と考え、薄手の手袋をする人を見かけることがあります。
しかし、薄手の手袋の場合、転倒した際に簡単に破れてしまい、手の平が血まみれになったり、関節部分の皮や肉が削れて大きな怪我をしてしまったりする可能性があります。
そのため、グローブを選ぶときは関節部分を守れるタイプや生地が厚いものを選んでおきましょう。
シューズの選び方
シューズは靴底が丈夫で、足の先やかかと部分だけでなく、足のくるぶしまでしっかりと守ることができるタイプのものを選びましょう。
特に、MT車のバイクに乗る方は、左足でギアを変えるため、ギアチェンジをする際に、引っかかることなくスムーズな操作ができるタイプを選んでおきましょう。
靴紐があるシューズの場合は、紐が各操作部や車体に引っかからないよう、内側に靴紐を収納しておくなどの工夫が必要です。立ち転けなどをしないようにするためにも靴紐には十分に注意しましょう。
エアバッグ
ライダー向けの心強いアイテムのひとつに、エアバッグがあります。転倒したときに瞬時にエアバッグが展開するライダー用エアバッグには、ベストタイプやジャケットタイプなどがあります。
転倒時に身体を保護する心強いアイテムのエアバッグは、着用しておくと安心でしょう。ライダー用エアバッグの中には、ボンベを取り替えることで繰り返し使用できるタイプもあります。
万が一のときのためにも、ライダー用エアバッグは1着用意しておくとよいでしょう。
ライダーは身体を守ることが重要
ここまで、バイクに乗るときの装備がなぜ必要なのか、代表的な装備の選び方を解説してきました。これらの装備や身に付けるアイテムは、すべてライダー自身の身を守るために必要な装備品です。
装備品を省略してしまうと、転倒したときや事故のときに大怪我をしてしまいます。また、頭部のサイズに合ったヘルメットを着用し、プロテクターを装備していれば助かっただろうという事故もあります。
道路でベテランのライダーがしっかりと装備品を着こなしているのは、とてもスマートでカッコいいですね。ケガを最小限に抑え、致命傷となる損傷を負わないようにするためにも、身体を守る装備品はしっかりと着用しましょう。